「十二人の怒れる男」とボルチモア
シドニー・ルメット監督が亡くなった。「十二人の怒れる男」は大好きで,最初に映画を(テレビでだが)見たのは確か中学の時。その後,お芝居を見た記憶があるが,いつのことだか,はっきり思い出せない。いろいろ考えてみると,高校の文化祭だったような気もする。
11人の陪審員が有罪と確信している殺人犯について,ヘンリーフォンダが扮する陪審員が粘り強く証拠を一つずつ検証していくことで,他の陪審員の考えが変わっていく……というストーリーで,サスペンスタッチな上に,自分が正義の代弁者になったような爽快な気分になった。とは言え「素人が有罪か無罪かを判断するなんて,アメリカというのは何と恐ろしい国だ」と子供心にも思ったものだったが,日本でも今や裁判員制度が導入されている。
ところで,実はほんの2週間ほど前に「十二人の怒れる男」が知人との間で話題になった。3月の終わりから4月に掛けて,国際会議でフィラデルフィアへ行ったのだが,会議が終わってから1日だけ足を延ばして,ボルチモアにいる知り合いの研究者を訪ねた(フィラデルフィア~ボルチモアは列車で1時間ちょっと)。彼は大学時代の3つ上の先輩で,今は,ボルチモアの大学で教鞭を執っている。研究に関する情報交換と,たまたま彼の授業のある日だったので,その授業の中で,1時間ほど日本の廃棄物問題についてプレゼンをさせてもらった。
で,「十二人の怒れる男」との関係だが,映画の中で陪審員の1人が,「ボルチモア・オリオールズ」のファンである別の陪審員を小馬鹿にするような台詞があって(記憶違いでなければ),それ以来「ボルチモア」という地名は僕の中で妙に記憶に残っていたのである。ボルチモアの駅に彼に迎えに来てもらったとき,「ボルチモアにはそんな記憶があるんです。でもどこにあるのか,全く知らなかったんですけど。」といった会話があったばかりだったので,帰国して1週間で聞いたシドニー・ルメット監督の訃報はなんとも微妙なタイミングで,ちょっとした驚きだった。ということで,ごみやごみ箱とは関係がないが,このブログになりました。
ボルチモア駅のホーム。
ワシントンD.C.へ通勤している人たちもいるそうです。
右奥のごみ箱はこんな感じ。
私の肩ぐらいまである巨大なごみ箱でした。