リユースビンのお茶『と、わ(To WA)』

 先日のいこま会議のテーマは,「容器包装廃棄物と2R」で,
自分の専門とは違っていたから不安も多かったのだけれども,
それだけに,これまでお付き合いのなかった方々と知り合いになれた。
大きなメリット。

 そのお一人が,リユース式のガラスびんでお茶を提供している
World Seedという団体の中島さん。

 実は,この団体のお茶は,しばらく前に堺市のごみ減量審議会の時に
見ていて,写真を撮っていたのでした。

252-towa01.jpg
携帯電話で撮って,ピントが甘いのですが。

252-towa02.jpg

252-towa03.jpg
見にくいのですが,Rのマークが分かりますか。
Rビン(リユースビン)であることを示しています。


 自治体のごみ関連の委員会などに時々呼ばれているが,
お茶はペットボトルで提供されることが多い。

 飲みきらずに持ち帰ることもしばしばなので,その点では便利なのだが,
ごみを減らすと言う観点からは,リユースビンはもっと見直されても良いはず。
特にごみ減量の委員会などでは,もっと活用されてもいいのではないかと思う。
広く使われるようになれば,競争力も付くだろうし。

 ところで「競争力」と言ったが,
いまはペットボトルとリユースビンの競争は対等になっていない。

 京エコロジーセンターの高月先生が,漫画で,その点を端的に指摘されている。

252-reuse_bottle.jpg

 ワンウェイ容器(使い捨て容器)は,事業者は売ることだけを考えれば良いけれども
リユース容器では,回収して洗って,という費用を事業者が負担しないといけないので
経済的に大きなハンディを負っている,ということを示している。

 つまりリユース容器は,回収コストまでを総て価格に内部化させているということ。

 で,そこまでは認識していたのだけれども……。

 今回の会議の中で会場の参加者から
「栓抜きが必要なのは不便。蓋はどうにかならないのか。」
との質問があった。私も不思議に思っていた。

 その答えは,
「ネジ式(スクリューキャップ)は,割れやすいので,
 繰り返し洗って使うリユースビンでは難しい。」

「オロナミンCのようなキャップ(マキシキャップ)は,
 衛生上の課題(高温で加熱という条件)から難しい。」
という答えだった(*注)。

 なるほど。

 言われてみれば,
オロナミンCのびんも,昔あったスクリューキャップのガラスびんも
ワンウェイ(使い捨て)で,ガラスとしてはリサイクルされるけれども,
リユースされている訳ではない。

 この話を聞いて,
「リユースビンというのは,衛生上のリスクや,ビンの口が欠けるリスクまで
 内部化しているのだなあ」
と,企業がリユースビンを使うことの大変さを改めて感じた。

252-reuse_bottle6.jpg
デンマークのスーパーマーケットに置かれていたリユースビンの自動返却機。
持参した空き瓶を投入するとコインが返ってくる仕組み。



(*注)その後,コメントをいただきました。
割れやすかったり,加熱上の制約はあるが,設備投資や大規模な展開が出来れば,導入する可能性はあるそうです。

いこま会議

 いこま会議というものに参加してきた。

 環境自治体会議という全国の環境政策に関心のある自治体のネットワークがあり,
そこが1年に1度,全国大会をやっている。
今年は,奈良県生駒市が会場。

環境政策に関する12の分科会があり,私は廃棄物・資源循環1のコーディネーターを
務めることに。テーマは,容器包装廃棄物の2R(リデュース/リユース)で,
自分の専門外なのだけれど。

話題提供者とテーマは以下の通り。
251-ikoma00.jpg
環境省の室長の方に来ていただいたほか,有名な方がたくさん。

分科会の参加者は,30名ほどだったが,会場からの質問・意見交換も活発で,
結構盛り上がって良かった。

話題提供者の方々は,有名な人たちだけれども,
これまでなかなかお会いすることができない人たちだったので,
今回ご挨拶ができて良かった。

251-ikoma-fukuro01.jpg
251-ikoma-fukuro02.jpg
会議資料が入っていたお土産のエコバッグ。
下のは,環境モデル都市としての生駒市のマーク。


251-ikoma03.jpg
会議録。多岐にわたっていて全部読むと勉強になります。

都市学科でも,こんな環境都市に関する議論がしたいと思った一日でした。

長与時津の焼却炉

 3月に長崎へ行った目的は,この焼却施設の見学だった。

250-nagayo01.jpg
長与・時津環境施設組合の焼却施設です。

250-nagayo03.jpg

焼却廃熱を利用して作った足湯があります。大村湾を眺めながらほっこりと。


250-nagayo04.jpg
焼却炉は,こんな感じで燃えています。

250-nagayo05.jpg
これがごみを焼却した後の焼却灰です。
いろいろな焼却灰を見ていますが,かなりきれいな方です。
これを有効利用できるかどうかが私のテーマ。

ところで,最近の焼却炉は,小学生の社会見学で利用されることもあり,
見学通路などがきれいに整備されている。

見学しやすく,ごみ問題やごみ処理技術を理解しやすいように,
各メーカーや施設の人が工夫をしているのだけれど,ここでの展示を見て,
思わず声を上げてしまった。


250-nagayo06.jpg

250-nagayo07.jpg
こんな所で恩師に会えるとは思いませんでした。
たしかに展示コーナーには最適です。

高月先生の「ハイムーン工房」はこちらです。→→ハイムーン工房
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水谷聡

Author:水谷聡
@大阪市立大学 工学部 都市学科

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