採血の時に針先は見ませんか?

 今日はちょっと,お気楽な話題を。


 学生時代から持病があって,大学の2回生の冬から半年ほど入院していたし,
その後も,3ヶ月~半年に一回ぐらいは,体調を確認するために,血液検査をしている。
もう20年以上にもなるから,思えばずいぶんたくさん,採血されていることになる。

 先日,大学病院で採血される時,針が刺さるところをじっと見ていたら,
採血している看護師さんに,
 「珍しいですね。針の刺さるところを,ずっと見てるんですね。」
というようなことを突然いわれて,ビックリした。

 言われてみれば,いつも,針が刺さる所をしっかりと見るようにしているが……。

 自分の体に針が刺さるんですよ。何が起きるか見ておきたくありませんか。
 見てなかったら,何か変なことをされないだろうかと,不安になったりしませんか。


 自分は痩せているので血管が浮き出ていて,そこに針が刺さっていく様子がよく見えるから,
つい,じっと見てしまう。で,見ながら,

 ああ,こんな風に刺さっていくのだなあ,とか,
 少し痛い時と全く痛くない時があるけれども,いったい何が違うのだろう,とか,
 真空採血管の中に血液が飛び散っていく様子を見て「ああ生きているんだなあ」とか,

考えているのだが,皆さんは,そんなことは考えませんか?


と言うようなことが一瞬にして,ぐるぐると頭をよぎったのだけれども,
針を刺されている身でもあり,おとなしく

 「そうですか。あまりいませんか。」

と聞くだけにしておいた。


「そうか,見つめるのは少数派なのか。」
と思いながら,なぜか,まんざらでもない気分になって,
それ以後も,学内の健康診断など,採血をされる時は,
それまで以上に気合いを入れて,針が刺さるところを見ていたのだが……。


 先日,同じ大学病院に行った時に,採血担当の別の看護師さんに
「針が刺さるところを見ている人って,あまりいませんか?」と聞いたところ,
「半々ですかね……。」という,気が抜けるような返事が。

「全くダメという方もいますけど,見ている方も,そこそこいますよ。」

と言われ,ほっとしたような,ちょっと残念なような,複雑な気分になったものでした。


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うちの大学の学内診療所にあった,ごみ箱。


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感染性一般廃棄物と感染性産業廃棄物に関するちょっと面白い話もありますが,それはまたの機会に。


デンマークの動物園での出来事

 デンマークのコペンハーゲンの動物園で,
キリンが殺処分されたとの新聞記事があった。→ こちら


 デンマークには2003年に,半年ほど留学していた。
この動物園にも2回ほど行ったこともあるので思い入れもあるし,
キリンが殺処分とは穏やかでない,と思って読んでみたら,
飼育しているキリンの近親交配を避けるために,1歳半の雄のキリン
(マリウス)を殺処分して,ライオンの餌にしたらしい。

 当然ながら,動物愛護団体からの相当の反対があったり,
ネット上で助命を求めて署名運動が行われたり,
英国の動物園からは引き取りの申し入れがあったり,
といろいろあったようなのだが,
結局,引き取りも実現せず,殺処分されたそうだ。
職員には,殺害の脅迫まで来ているらしい。




 殺処分は可哀想だと思うし(特に,新聞記事には可愛い写真まで載っている!),
何とかならなかったのかという気もするが,その善し悪しを言うような立場にはない。

ただ,記事の中の
「動物の体の仕組みを学んでもらうため、死体は子どもを含む大勢の来園客の前で
 解体された。一部は研究に使われるという。」
という一文を読んで,いかにもデンマークらしいと思った。


 昔,僕がその動物園に行った時も,週末の子供向けのイベントとして,
ニワトリを解剖して見せていた。

 幼稚園児だったうちの娘もそれを見ていて「ちょっと可哀想だけどね。」と
神妙な顔つきをしながら,ニワトリの内蔵を,興味津々で見つめていた。
回りにも同じくらいの年の子供達が沢山いて,何を思って何を言っていたかは,
分からなかったけれども,みな真剣に見たり,触ったりしていた。
それを見ながら,文化の違いとは言え,日本ではこういうことはなかなか
出来ないだろうなと思った。


 今回の一件も,同じことが日本で起きたら,子供に見せるのは残酷だ,
と言う話になって,子供達の前で解剖するようなことはないだろう。
殺処分をするなら,こっそりと人目に付かない所で行いそうだ
(別に隠すという意味ではなく)。

でも,殺処分がやむを得ないと言うことなのだったら,
それを表に出さないというのが良いのかどうか,は難しい。


 殺処分したキリンの解剖を子供にも見せると言う行為からは
「殺処分せざるを得ないのなら,キリンの解剖を見ると言う貴重な機会を,
子供も含めて多くの人に見てもらいたい。」という,デンマークの,
いかにも合理的な,あるいは,ある意味,科学的なスタンスを感じる。

 ただ,それよりも強く感じたのは,良いことも悪いことも,
小さな子供に対しても包み隠さず見せる,というスタンスだ。
「実は世の中,そんなにきれい事だけでは済まないことも多いんだよ」と。


 勝手な想像だが,動物園という存在自体も,動物を保護するという環境保護・
環境教育施設という一面がある一方で,それ自身が動物を自然から隔離して
野生を失わせているという,矛盾する一面を持っていると言うことを,
このキリンの殺処分を通して,動物園は投げかけたかったのかもしれない。


 殺処分に携わったスタッフも,心の中では泣きながら,でも淡々と,
子供達に向けて,マリウスを解剖して見せていたのではないかと思った。




226-den_zoo01.jpg
コペンハーゲン動物園(2003年5月頃)
古い写真を引っ張り出したのだが,なぜかごみ箱の写真がない……。
昼食時に撮った写真の後ろに,かろうじてごみ箱が写っていました。
机上の飲み物「マチルダ」はデンマークでは有名です。




226-den_zoo02.jpg
トイレの写真が1枚ありました。
重厚で,デンマークらしい感じがします。




226-den_zoo03.jpg
帰りに駅のホームから撮った線路の様子。
ごみがたくさん散らかっています。
デンマークでよく見掛ける風景でした。

温水便座が恋しい

 わが家のトイレが壊れた。

 今朝,起きてみたら,温水便座のエラーランプが付いていて,便座が冷たい。洗浄機能なども動かない。何より,この寒さの中,冷たい便座に座るのが辛い。

 よく考えれば中古の住宅に越してから12年以上が経っていて,その時に付いていたものだから,まあ寿命なのだろう。今までよく持ってくれたと思うべきかもしれない。

 そういえば,冷たいトイレの便座を話題にした文章を,学生時代に発行していた環境問題のミニコミ誌『みどりむし』に書いていて,ブログでも紹介した。  → こちら。 宜しければご覧ください。




 1月の終わりに,共同研究の打ち合わせで金沢大学へ行った。毎年,この頃に行くのだけれども,今回は全く雪がなくてビックリした。タクシーの運転手さんも,「こんな雪のない年は知りませんねえ。でも,楽で助かります。」と言っていた。今日あたりは,また大雪かもしれませんが……。


 それはそうと,金沢へは,関西からはサンダーバードで行くことになる。車内は暖房が効いていて快適なのだが,琵琶湖を越えて北陸に近づいてくると,さすがに足下が冷えてきて,トイレに行った。

 電車のトイレなどというのは,あまり快適ではないというイメージがあったのだが,何とホット便座だったのでビックリした。

 225-thunderbird01.jpg
225-thunderbird02.jpg
思わず写真を撮りました。


225-thunderbird03.jpg
ついでにごみ箱も。


 車内の足下の寒さと,ホット便座のアンバランスが,何とも妙な気分だった。


 それにしても,我が家のトイレをどうするか,当面の家族会議の議題である。


プロフィール

水谷聡

Author:水谷聡
@大阪市立大学 工学部 都市学科

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