ボディーチェック前のごみ箱(イェーテボリ)

 今年は,ずいぶん海外出張づいていて,先月スウェーデンに行ったばかりなのだが,明日から一週間,ソウルと北京に行って来る。ソウルでは,昨年の冬に訪ねたNIERを訪問して,共同研究の進捗状況の確認,北京では,北京大学で開かれる国際セミナーに参加する。どちらも仕事がびっしりで,仕事の翌早朝には移動,というハードスケジュールだが,仕事で海外に行けるのは有り難いことだ。

 

 ところで,数年前のアメリカのテロ以降,飛行機に乗る前の搭乗検査はずいぶん厳しくなった。機内に液体を持ち込めないというのも大きな変化で,ペットボトルのミネラルウォーターを搭乗検査前に大量に捨てることも多い。

 

 で,そのためにボディーチェックの入口の前には

「持ち込めないものは,ここへ捨てなさい」

と,いかにも融通の効かなそうな,威圧的な雰囲気の無骨なごみ箱が置かれているのが普通なのだが,イェーテボリは,さすがは北欧,そのごみ箱ですら,デザインが素敵だった。

 

 

 

さすが北欧。デザインが洗練されていて,すっかり家具の装いです。

 

 

少し遠目で残念ですが,色違い。

 

 

ヨーテボリ美術館の入場料

 一月近く前のことで,だんだん記憶が薄れてきたが,ヨーテボリで驚いたことを。

 

 最初の日は夕方8時前にホテルに着いて,夕食を取りに出掛けたのだが,これが何とも高い。空港の銀行で両替したレートだから,少し高くなっているとは言え,マクドナルドで「ハンバーガー+ポテト+ジュース」のセットを見ると,75クローナ(=ほぼ1000円)。さすが北欧の物価……と感心はするものの,とても買う気になれず,地元のパスタやさんで,夕食を取ったのだった。

 

 さて,翌日。学会の受付は夕方からで,午前中は天気も悪かったので,ホテルでゆっくり朝食を取ってから,少し仕事。昼頃から晴れたので,ヨーテボリ美術館の見学に出掛けた。で,ここからが本題。

 

ヨーテボリ美術館。リンクはこちら。

 

美術館の前には,ポセイドンの泉があります。

 

河童顔。

 

これまた謎の生き物。人魚のようですが,足が2本あります。

 

 この美術館,何ともすごかった。ピカソが4枚もあって,しかも「ピカソがあるよ~」などと宣伝をしていない。沢山の絵の中に,さりげなく,本当にさりげなく,ピカソが並んでいて,ビックリした。その他,ムンクも沢山あった。にもかかわらず,見物人は殆どいなくて,近くで好きなだけ見ていられる。日本では考えられない。

 

 で,実はもう一つ驚いたのが,その入場料なのだが,40クローネ(=500円強)で,マクドナルドのセットの,およそ半額。ずいぶん安いなあ,さすがヨーロッパ,と感心していたら,受付の女性が「いつまでここにいるの?」と聞いてくる。「今週中はいるけど……。」と言うと,「それは良かった。このチケットは,今年の大晦日まで有効なのよ。何回でもどうぞ。」と言う。しかも,この美術館だけでなく,市内にある他の4つの美術館・博物館(歴史博物館,海洋博物館,自然史博物館,デザイン美術館)にも入れると言う。

 

  何ともはや……,この辺りが,ヨーロッパのすごいところですね。せっかくなので,5時までに,デザイン美術館と海洋博物館も見に行きました。

 

美術館前のごみ箱。

 

描かれている模様は,市の紋章だと思います。

あちこちのごみ箱で見掛けました。

 

 

 

 

トイレのハエと数値目標

 北京で,公衆便所の衛生状態をきちんと管理するために,

「観光地や駅、空港、公園、病院などのトイレ内のハエは2匹まで。」

という管理目標基準を作ったと新聞記事で見掛けた。

 ここ,とか,ここ で見ることが出来る。

 

 記事では,いずれも「どうやってハエの数を数えるのか」などと,批判が出ていることを報じているが,ま,確かに厳密に実施する際には,多くの問題が生じるだろうけれども,目標を数値で設定すること自体は悪くない。

 

 大学も最近は厳しくなって,学生からも評価される(授業に対するアンケートなどが多い)し,業績評価も頻繁に行われている。自分でも目標を設定して,年度末に達成できたかどうかをチェックするのだけれども,達成できたか,達成できなかったか,がはっきりと見えるから,数値目標は怖い。

 

 研究活動が活発かどうかは,論文の発表本数や,学会での発表回数などの数字で目標設定する,と言うことになる。数値目標の悪いところは,「達成できそうな,低めの目標をついつい設定したくなる」というのは,レベルの低い問題で,本質的には質を評価できない点だ。

 

 ひとくちに,「論文の本数」と言うけれども,学問分野によって論文の書きやすい分野と書きにくい分野があるし,論文の質も様々だから,単純に本数だけで評価できるものではない。

 

 で,質を評価するために,その目標設定自体が妥当なのかどうかの評価が必要だ……となって,外部の専門家に評価してもらう,ということになる。さらに,いやしかし,その外部の評価者は妥当なの?というようなことになると,もう外部評価の無限地獄になってしまって,評価する人にも負担が掛かるし,評価される方も評価してもらうための資料作りに追われたりして,労力と時間を膨大に取られる,ということになる。最悪である。

 

 論文の本数については,「質」も何とか数字で表してしまおう,という方法がある。同じ論文1本でも,学術雑誌(journalといって,magazineではない。)によってレベルが異なるから,A誌に載った1本は,B誌に載った3本に匹敵する,といった具合に換算する。この換算係数は,インパクトファクターと言って,公表されている(この係数が与えられていない雑誌も沢山ある)。もちろん,その係数が妥当かどうかは,いろいろ判断が分かれるのだけれども……。

 

 

 学生からの評判については,僕が担当している「都市資源リサイクル工学」と言う講義では,毎回さいごに小テストを実施しており,その際に,”今日の満足度”を5点満点で記入してもらうようにしている。

 

 記名式の上に,僕自身が採点するのだから,悪い評価は付けにくそうで毎回3~5点しか記入されていないという問題点はあるものの,授業の内容に応じて微妙に点数には変化があって面白い。工学部の学生相手なのに法律の話ばかりした時とか,自分の専門テーマに近いからと言って,頑張って難しい話を入れすぎたりすると,評価が下がったりして,やはりきちんと見られているなあと感じる。今年は今のところ,4.14,4.39,4.32,4.59,4.50,4.60,4.45という結果だが,毎回,なんとか4.5点は確保したいものだ。

 

先日の国際会議が開かれた,チャルマース工科大学のトイレ。

男性用便器ですが,黒い点は汚れではありません。

 

 

ハエが印刷されています。

 

 

 すこし汚い話ですが,オランダの空港(だったかな)で,ハエを印刷した便器に変えたら,利用者が皆,このハエを狙うようになって,便器のあちこちが汚れることが少なくなり,掃除代が劇的に減ったのだそうです。男性諸氏なら,この心理は,きっと分かりますよね~。

 

プロフィール

水谷聡

Author:水谷聡
@大阪市立大学 工学部 都市学科

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