学生の試験から3~ある高校生の投書

 期末試験で記事を一つ紹介させている話の続きを.

 

 ごみやリサイクルに関する記事は半年間には,いくらでも転がっていると思うのだが,「見つからない」という学生が毎年出てくるのは不思議だ.「何かあるはず.」と言っておくと最終的には何か持ってくるのだが.

 

 その一方で,こちらが想定している,いわゆる「新聞記事」とは全く違う記事を見つけてくる学生がいて,感心させられることも多い.

 

 今回おもしろかったのは朝日新聞に寄せられた”投書”.高校生の女の子が書いた「教科書 お下がり使えるのに」というものだ.

 

 スキャンしたpdfファイルを載せようかと思ったが,著作権についてアサヒコムで調べてみると,朝日新聞社だけでなく,本人の許諾も必要なようなので,全体を載せるのは断念.要約すると


「2歳上のお兄さんが通っていた高校に自分も通うことになった.教科書の一覧を見たところ,大半の教科書がお兄さんのものと同じだったので,必要な教科書だけを購入しようと学校や書店に交渉したのだが『改訂されているかもしれないから』,とすべて買うように言われた.仕方なくすべて購入して両方の教科書を比べたが,同じ検定日で改訂箇所が見つからなかった.改訂箇所もないのに買わされるのは納得できない.教科書のリユースをすべきではないか.」


と言う内容だった.

 

 書店や出版社が少しでも売りたいと思う気持ちは分からないでもないが(それでも誠意がないと思うが),学校までがその片棒を担ぐというのは,ひどい話だ.検定日を確認するぐらい,その気になれば出来るだろうに.一体どこの高校なのか,気になる.

 

 この高校でも環境問題・ごみ問題について教えるのだろうが,こういう対応をしていては,生徒や子ども達の共感は得られないだろう.

 

 それにしても,こんな小さな投書を見つけて試験用に持ってきたうちの学生も偉い.こういう掘り出し物があるから,新聞記事を紹介させる試験は,当分やめられそうもない.

 

 

夏休みに旅した先で見つけたごみの分別表.

小学校5年生の女の子の作った標語がいいですね.

 

学生の試験から2~馬車によるごみ収集

 またしばらく間が空いてしまった。お盆休みを利用して12年ぶりに北京観光に行ってきた。新しいごみ箱も見たし、ごみの分別の実状はいろいろ興味深かった。またこのブログで紹介します。

 

 さて学生の期末試験の話をもう少し。「都市資源リサイクル工学」の試験は6年目だが、毎年、授業の1回目に期末試験の試験問題のごく一部を公表することにしている。

「この半期の間に,新聞に掲載された,廃棄物やリサイクルに関する記事の切り抜きを示し,その記事の内容について,意見を述べよ。」というものだ。

 こちらの意図としては、

・ごみやリサイクルの問題はリアルタイムでいろいろ動くから、アンテナを広げてもらう。

・最近の学生はあまり新聞を読まないので、新聞を読む習慣を付けてもらう。

などのつもりで、期末に実施する授業アンケートでも「これを機会に新聞に目を通すようになりました」といったことを書いてくれる学生もいる。

 

 しかし実は私にとっても、一つ大きなメリットがある。授業のネタにするために、ごみに関連する新聞記事を見つけたらスクラップ(pdf化)しているのだが、それを効率的に集めることが出来る(笑)。学生も50人もいると、新聞の種類もさまざま、興味もさまざま、こちらの気付かなかった記事を教えてくれるので、非常に助かる。始めた頃は、示し合わせて同じような記事ばかり持ってくるかもしれないと心配していたが、予想以上にいろいろな記事が集まって読んでいて楽しい。

 

 今年おもしろかったのは、読売新聞にあったベルギーで馬車を使ってごみを収集をしているという記事

”ベルギーの首都ブリュッセル北部のスカルビーク区が、昔ながらの2頭立ての馬車を使ったゴミ収集を始めた。温室効果ガスを排出する自動車の使用を避けながら、愛嬌(あいきょう)たっぷりの馬をマスコットに仕立て、横行するポイ捨ての防止もアピールしている。
区は、隣国フランスの事例を参考に、ゴミ収集トラックを新調する代わりに馬車導入を決定。馬小屋の建設費も含め5万ユーロ(約560万円)を投じ、6月下旬に試験運用が始まった。
自動車ならガソリン代や維持費、保険料など年間約3600ユーロがかかるが、馬なら2頭のエサ代など約2000ユーロで済む。”(以下、略。写真もあります。)

 

 作業効率などを考えると、単純にコストが下がる、とは言えないと思うが、ごみが注目されることで、ポイ捨て防止効果はあるかもしれない。答案の採点は結構疲れる作業なのだが、こんな記事が紹介されていると、ちょっと疲れがとれて嬉しい。

 

2003年留学していたデンマークで見掛けた馬車の荷台。

何を運んでいたのかは分かりませんが、現役でした。

右の方に、かろうじてごみ箱が写っています。

 

 

学生の試験から1~パッカー車

 すっかり更新が滞ってしまった。この時期は期末試験があって、学生の成績を付ける時期で、授業の総まとめ~試験問題作り~採点~期末に〆切を設定していたレポートの採点などがまとまってやってくるから忙しい。しかも今年は、7月の終わりに台風がやって来て、暴風警報が出て授業が一回休講になったので、最後の授業が7月の最終週にずれ込み、余計に慌ただしくなってしまって……、とこれらは総て言い訳である。

 

 さて、期末試験の話。都市学科の3年生を対象とした”都市資源リサイクル工学”という授業を担当している。都市資源=都市から発生する資源=廃棄物で、廃棄物処理に関する工学とリサイクルに関する法制度やリサイクルの現状などを解説している。

 

 試験の内容については、毎年のように試行錯誤を繰り返しているが、今年は○×方式の問題を出してみた。文章中の特定の用語に下線を引き、「下線部が正しければを、間違っていれば正しい言葉に書き直しなさい。」というものである。受験問題っぽくて大学生にはどうかとも思うが、うろ覚えだと正しい答えを書けないので、正解/不正解がはっきり分かるから理解度もよく分かり、結構厳しい試験かもしれない。

 

 基本的には真面目な問題ばかりだったのだが、街中でパッカー車(ごみ収集車)を見た時に、ふっといたずら心が出てきて、1問だけ、

  「廃棄物を圧縮しながら回収するごみ収集車をカッパー車と言う。」

という問題を入れてしまった。うちの研究室の学生たちからも苦笑されるような問題だったのだが……

 

 

 

 

 

 45人中、32人がを付けていた(涙)。

 

今年の3月に参加した学会での技術見学会。

周辺地域から出るごみを集めて、
大きな処理施設へ運ぶパッカー車へ積み替えるための

中継基地(Transfer Station)。

 

大きなパッカー車がひっきりなしに。

 

フィラデルフィア・リサイクル・オフィスとあります。

市のリサイクル局でしょうか。

 

 

少しデザインが違いますね。

 

 

ちょっと宗教っぽい気がしますが、何のマークでしょうか。

 

 

 

 

プロフィール

水谷聡

Author:水谷聡
@大阪市立大学 工学部 都市学科

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