ペットボトルの蓋2

 ペットボトルの蓋を白無地のものに統一すると言う記事を見つけた。震災の影響で蓋が不足して飲料水の増産が難しくなっていることから,飲料大手が白無地のもので統一することに合意したとのこと。これによって,作業効率が上がって,供給力が1割程度上がるらしい。

 

 元々は複数のラインで蓋を作っていたので,ロスがあったと言うことではないのかもしれないが,ペットボトルの蓋ぐらい,どの飲料でも同じで良いのではないかと思う。

 

 電力不足に対応するために,ソニーが独自のサマータイムを導入したり,夏休みをずらすことで,電力の使用ピークをずらす工夫をするとのニュースも流れていた。

 

 電力需要を25%減らすなどというのは,とんでもなく大変なことのように思うが,サマータイムや夏休みを少しずらすなどと言うのは,その気になれば簡単に出来るように思える。

 

 これまでの日本は,少しでもモノを買わせよう,エネルギーを使わせよう,という動きばかりだった。しかし,これからは省エネルギーや省資源を本気で考える必要がある。それは電力供給が戻るまでの一時的なものではなく,そういう社会に作り替えていくことが大切だと思う。

 

コンビニに置かれていたペットボトルの蓋を分別回収できるごみ箱。

中を覗いたら,一緒になっていましたが……。

 

 

 

 

ペットボトルの蓋の分別回収の様子。

名古屋大学のキャンパスで。

 

  

トイレのないマンション

 学生時代に,同じ学科の同級生らとともに,環境問題に関するミニコミ誌を出していた。『みどりむし』というタイトルで,環境問題が起きている現地や,環境問題の集会に出掛けて,その内容を紹介する「特集」,サークル内での勉強会の内容をまとめた「巻頭論文」,環境問題や教育問題,人権問題などを扱った本に関する「書評」などを中心とする月刊誌で,28号まで出したから,2年以上だしていたことになる。

 

 論文や特集記事などはいま読むと全く未熟でお恥ずかしい限りだが,書評やコラム「やぶへび」などは,いま読み返してみても面白い。この「やぶへび」は,メンバーが持ち回りで書いていたが,「記事は読んでいないが,やぶへびだけは書かさず読んでいる。」というような人もいて,本末転倒だとは思いながらも,書いている方も楽しんでいた。

 

 その中の一つで,私が書いたのが以下の文章である。

 


 

 尾篭な話で恐縮だが、皆さんは和式のトイレと洋式のトイレとどちらがお好きだろうか?私は、和風が好きなのだが以前の下宿では洋式で、毎朝悲しい思いをした。そのせいもあって大学で用を足すことも多く、学内のトイレの状況にはかなり詳しい方だと思っている。

 

 先年、実家が改築をした時、親は電話で「間取りはこうした、階段も変えたし、ベランダをこちら側にも付けた。」などと嬉しそうにいろいろ説明してくれ た。さぞかし立派な家になったのだろうと期待して帰省するとなるほど確かに立派な家だったが、トイレが洋式になっていたのには閉口した。しかもそれについ て一言の相談もなかったのは口惜しい限りであった。

 

 洋式トイレは安定性が良いのでお年寄りなどのいる家庭では望ましいようだ。しかし、個人的に言えば、ふきにくいしどうも力が入りにくくて嫌いだ。また家ならともかく、公衆便所ではどこかの誰かと「尻合い」の中になる訳で、なんとなく座りの悪い気がするのは、私だけではあるまい。ま、それも一つの縁ではあるが・・・・。一方、和式だが冬はどうもお尻が寒いという欠点がある。洋式の便座の冷たいのにも閉口するが、ヒーター付きの暖かい便座が登場したいま、和式の寒さは身にしみる。

 

 ただ一つ、これは和式の大きな利点、と思うのが,汚いようだが自分の排泄物を確認できる、ということである。一昔前に下血という言葉をよく聞いたが、実際胃腸系の疾患などには自分のウンコは最大のマーカーとなり,健康管理の面からは、いつも自分できちんと確認することが望ましい。小さい頃読んだ本の中で、とある動物園の園長さんが「動物達は体調が悪くてもそう言ってくれないのでウンコを見て健康状態を把握してやらないといけません。例えば、 うちのライオンなら太さ○㎝長さ□㎝ぐらいのを△本する時が一番体調がいいんです。」と書いていたのを思い出す。子供ながらに"ふん,なるほど"と感心したものだ。

 

 ところで、下水道や清掃工場のない自治体を指して「トイレのないマンション」などと言うことがある。我々の生活の排泄物とも言える"ゴミ"をじっと見た時、今の生活は好ましい状態と言えるのだろうか。 (1991年6月頃に執筆。改行など一部改変。)

 


 

  これを書いた当時,一緒に活動していたメンバーから間違いを指摘された。「トイレのないマンション」というのは,放射性廃棄物の処理システムが整っていない原発を指して言う言葉だ,と。私もそれは知ってはいたのだが,下水道のない自治体のことを指して呼んでいた例があったような気がした上に,最後を普通のごみの話に持っていきたかったので,こんな展開にしたのだった。
 

 それにしても,放射性廃棄物の問題は未だに全く解決していないが,そもそも原子炉を廃止した後,どのように処理・処分していくのか自体がまったく決まっていない。日本の原発は,設計時には廃炉にするはずだった期間が近づいてくると,しばしば廃炉を先延ばしにするとともに使用期間を延長してきたが,その結果が今回の事故の一因になっているのではないかと思うと,原発関係者の責任は非常に重い。
 

アメリカ・ボルチモア(メリーランド州)のスーパーマーケットにあったごみ箱。

Giantというのがスーパーの名前。

 

 

レジに貼られていた日本の震災への寄附を呼びかけるチラシ。感謝。

 

 

プロフィール

水谷聡

Author:水谷聡
@大阪市立大学 工学部 都市学科

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