オランダとデンマーク2
オランダには負けてしまったが、今日はいよいよデンマーク戦である。今日のW杯の試合は標高1500mぐらいの場所で行われるそうだ。今回南米チームが好調なのは、もっと標高の高い所で南米予選が行われているから……というような記事も見掛けた。となれば、デンマークよりも日本の方が少し有利かもしれない。
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前回、オランダとデンマークは、焼却灰の有効利用のツートップだと書いた。デンマークもオランダ同様に天然の土木資材が少なくて、焼却灰は積極的に利用している。と言うのも、デンマークの地理を知るとよく分かる。実はデンマークという国は、非常に平べったい国で、国土の中で一番高い場所でも標高が170m程しかないらしい。つまり山が全くないのである。日本などは山に囲まれているから、土木資材として必要な砂利などは、山を削れば作れる(それはそれで問題ではあるが)のだが、デンマークは国中を見渡しても山が全くないのだから、土や砂利などを取りようがない。仕方がないから、外国から輸入したりすることになるので、国内から出てくる焼却灰なども、使えるのなら何としてでも使いたいと言う気になるというのもよく分かる。と言うことで、高地での試合なら日本に分があるのでは……というのが、冒頭のお気楽な発言の趣旨である。
ところで”国土が平坦”というのは、日本のような山国とは全く異なる自然環境である。冬になれば北極海から強い風が吹いてくるのに、山が無くて非常に平坦だから、ものすごく強い風が国中を吹き荒れたりする。デンマークには半年住んでいたが、あの国の紹介としては「風の強い国(Windy)」というのが一番適切な気がする。自転車で走っても逆風だと全く進まないばかりか、下手をすれば押し戻されそうになる程だ。デンマークで暮らしてみて、あの国で風力発電が発達した理由がよく分かった。ここなら、風力発電もうまく行くだろう……と。
そもそもデンマークは、山というか高低差がなくて水力発電などは出来ないから風に注目したのであって、別に環境に良いと思って風力発電を開発したわけではないだろう。デンマークには原発がないのは事実だが、隣のスウェーデンから原発で発電した電気を買っている。留学中にコペンハーゲン周辺のかなりの範囲で停電が起こって困ったことがあったが、これもスウェーデンの原発か送電線のトラブルで、電気が来なくなったからだった。
オランダの風車も有名だが、日本では国土の特徴を活かして水車を利用していたように、彼らは風車を利用していたということなのである。そういう背景を正しく理解することもなしに、海外の技術だけを真似してみても、うまく行くものではない。最近は、環境にやさしいといってあちこちの山奥に風力発電の風車が立ったりしているが、貴重な山を切り崩しながら、風車を建てるなどと言うのは、まったく馬鹿げているように思う。その辺り、欧米のものは何でも有りがたがるのではなく、背景をきちんと理解することが大事だと思う。
ちょっと話がずれてしまったが、あと2時間ほどで、いよいよデンマーク戦が始まる。風車と水車ではないが、日本には日本のサッカースタイルが、デンマークにはデンマークのサッカースタイルがある。体格も考え方も違うのだから、それぞれの特徴を活かした戦略が重要だし、その違いがぶつかるところが面白い。両国が自分の持ち味を活かした良いゲームになることを期待している。その上で、日本が勝てば最高なのだが、さてどうだろうか?
海上に並ぶ風車。船から見学。
海側から見る人魚の像。ちょっと珍しい光景では。
コペンハーゲンのレンタサイクル(無料のはず!)。
平坦な土地なので自転車は重要な交通手段です。
最後はおきまりのごみ箱で。
コペンハーゲン・ニューハウンです。