大学祭1(京都工芸繊維大学)
私の学生時代には,お祭りというのは非日常の世界なので,日頃はきちんとごみを分別していても,お祭りの場でごみを分別するなどというのは想像も出来なかったし,仮に分別基準を作っても誰も協力してくれないだろう,という雰囲気があった。それが今では当然のように分別用のごみ箱が設置されていて,お祭りに来ている人たちも当然のように分別して排出している。祇園祭のごみが分別されている話は以前ここでも書いた。
大都市では小さな町と比べてごみの分別の種類が少ないことが多い。これには収集コストを削減するという理由もあるのだが「大都市ではごみの分別は無理だ。」「若い人が多い街では分別は無理だ。」というような声が聞かれることがある。
けれどもそうだろうか。大都市である名古屋市は最終処分場が建設できなくなってから全市を上げてごみの分別・削減の徹底に取り組み,大幅にごみを減らした。松原名古屋市長(当時)の書かれた「一周遅れのトップランナー」に詳しい。
また「若い人たちは分別をしない。」という件も怪しいと思っている。確かに学生のワンルームマンションなどでは,ごみ出しマナーが悪いという例もあるが,地方から京都や大阪へ出てきた学生が,ごみの分別項目が少なくてビックリしている事例もよくある。小さい頃からごみを分別する習慣を付けておけば,それが当たり前になっているのである。むしろ地方から学生を大都市に集めておいて,ごみを分別しない習慣を身につけさせて社会に出す,というのはどう考えてもおかしな話である。
若い人が分別を厭わないことは,大学祭のごみ箱が分別ごみ箱になっていることを見ても分かる。大学よりもていねいな分別をしている例だってあるのである。まずは,環境を整えることから始まるのではないだろうか。
先日たまたま立ち寄った京都工芸繊維大学の学園祭で見掛けたごみ箱。
奥にある通常のごみ箱は使わないように封鎖してある。
学祭で出たごみは総て学祭用のごみ箱に……と言うことですね。
さすが工芸繊維大学だけあって,デザインが素敵ですね。
でも,可燃と不燃だけというのは戸惑う人が多いかも。