大学祭2(京都大学11月祭)

 先週に続いて大学の学園祭のごみ箱の話題を。

京大のNF(11月祭)で見掛けた,ごみに関する立て看板とごみ箱の話である。

 

リサイクルされたプラ容器がクマの中身になっているところがすごい。

ぬいぐるみだったんですね……。

 

 2年前の学祭で見た看板である。今でこそ,3Rや循環型社会は珍しくもないが,京大ではこの立て看板を立てた11月祭環境対策委員会(言ってみれば学生サークル)が中心となって早くから様々な取り組みが行われていた。ごみの分別も行われているが,大学祭に付き物の模擬店で,使い捨てでなく洗い皿を使う取り組みなども画期的なことだったと思う。

 

 前回も書いたが,自分の学生時代には,学園祭でごみを分別するとか,洗い皿を使うなどということは,受け入れられそうもないと思っていたが,今の学生達にしてみれば,最初から学祭には分別用のごみ箱がある訳で,ごみの分別は当たり前のことだろう。

 

 自分も学生時代は環境サークルで活動していたし,教員になってからも大学で学生達の取り組みを見てきたが,実現するはずもないと以前は思っていたことが,実際にやってみると案外うまく行き,そのうちにそれが当たり前になってくるという事例をいろいろ目の当たりにしてきた。やはり最初から諦めていては何事も進まないし,思い切ってやってみれば,社会も変わっていくものだということを,学祭の分別ごみ箱を見るたびに思う。


 

学祭時のごみは通常のごみ箱に入れないように封鎖されています。

 

で,こちらがその説明。

大学のごみ箱全部を封鎖して回るのは結構大変でしょうねえ。

 

これが「専用のごみ箱」の分別案内。5分別になっています。

環境対策委員会のページによれば,今は生ごみも分けているようです。

 

おしゃれとはお世辞にも言えませんが,

いかにも手作りという雰囲気がいいですね。

大学祭1(京都工芸繊維大学)

 私の学生時代には,お祭りというのは非日常の世界なので,日頃はきちんとごみを分別していても,お祭りの場でごみを分別するなどというのは想像も出来なかったし,仮に分別基準を作っても誰も協力してくれないだろう,という雰囲気があった。それが今では当然のように分別用のごみ箱が設置されていて,お祭りに来ている人たちも当然のように分別して排出している。祇園祭のごみが分別されている話は以前ここでも書いた。

 

 大都市では小さな町と比べてごみの分別の種類が少ないことが多い。これには収集コストを削減するという理由もあるのだが「大都市ではごみの分別は無理だ。」「若い人が多い街では分別は無理だ。」というような声が聞かれることがある。

 

 けれどもそうだろうか。大都市である名古屋市は最終処分場が建設できなくなってから全市を上げてごみの分別・削減の徹底に取り組み,大幅にごみを減らした。松原名古屋市長(当時)の書かれた「一周遅れのトップランナー」に詳しい。

 

 また「若い人たちは分別をしない。」という件も怪しいと思っている。確かに学生のワンルームマンションなどでは,ごみ出しマナーが悪いという例もあるが,地方から京都や大阪へ出てきた学生が,ごみの分別項目が少なくてビックリしている事例もよくある。小さい頃からごみを分別する習慣を付けておけば,それが当たり前になっているのである。むしろ地方から学生を大都市に集めておいて,ごみを分別しない習慣を身につけさせて社会に出す,というのはどう考えてもおかしな話である。

 

 若い人が分別を厭わないことは,大学祭のごみ箱が分別ごみ箱になっていることを見ても分かる。大学よりもていねいな分別をしている例だってあるのである。まずは,環境を整えることから始まるのではないだろうか。

 

先日たまたま立ち寄った京都工芸繊維大学の学園祭で見掛けたごみ箱。

奥にある通常のごみ箱は使わないように封鎖してある。

学祭で出たごみは総て学祭用のごみ箱に……と言うことですね。

 

さすが工芸繊維大学だけあって,デザインが素敵ですね。

でも,可燃と不燃だけというのは戸惑う人が多いかも。

 

ヘルシンキ動物園

 留学先のデンマークから日本へ帰国する途中,フィンランド航空のストップオーバーが出来る正規の飛行機チケットだったので,フィンランドのVTT研究所を訪問するためにヘルシンキで一泊した。いかにもフィンランドという森の中にある研究所だった。

 

 さてせっかくフィンランドを訪ねたので,少しの時間を見つけてヘルシンキの動物園へ行った。行ったのは10月の半ばだったのだが,フィンランドの10月というとかなり寒くて気温は5℃前後だったように思う。平日の昼間だったせいもあり,動物園も閑散としていて,人間よりも動物の方が多いくらいだった。実は空いている檻も多くて,動物の数もかなり少なかったのだが……。そもそも10月半ばではオフシーズンなのだろう。

  さて,その動物園にあったごみ箱がこちら。

 

 

おへそがしっかり付いています。

 

 

 私の写っていない写真を探したのですが,見つからず……。
後ろに見えるのは食堂ですが,閉まっていました。

子供達にも人気がありそうなごみ箱ですね。

 





 

プロフィール

水谷聡

Author:水谷聡
@大阪市立大学 工学部 都市学科

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