綿業会館

3月末で定年退職される先生が学科におられて,
先週,退職記念の歓送会があった。
数年前までは,毎年のようにこのような懇親会があったけれども,
コロナ禍で,対面の歓送迎会は数年振りだ。

今年は,大阪の本町にある 綿業会館 で開催されることになった。
重要文化財になっている建物で,会館側のご厚意で,館内の見学もさせて貰えた。

個人(東洋紡の専務取締役だった岡常夫氏の遺言)による寄附の100万円に
関係業界からの50万円を加えて建設基金としたとのことだが,
竣工した昭和6年に再建された大阪城の天守閣に掛かった費用よりも高かったらしい。
大阪の迎賓館としての役割を果たしていて,リットン調査団も滞在したようだ。

部屋の華やかな様式が注目されるが,将来的に本格的な冷暖房を入れることを予想して,
・井戸水による冷風送気を行ったり,
・地下室に冷暖房設備を入れるためのスペースをあらかじめ設置しておいたり,
など,建築衛生の面からも,非常に先駆的な建物で,
こんな建物が戦火を免れて残っていて,しかも利用されているのは素晴らしいと思った。

実は,個人的に一番感心したのは,トイレが多いこと。
古い建物だとトイレが隅の方に,ひっそりと設置されていることも多いが,
建物の結構,中央の辺りに,いくつもトイレがあって驚いた。
大げさに言えば,どこのトイレを使えば良いのか,迷うぐらいで,
この建物を作った人たちの文化的なレベルの高さを感じた。

トイレ手洗いのごみ箱
洗面台脇のごみ箱。廊下ではごみ箱は見掛けなかった。

手洗いの貼り紙
コロナ禍ならではでしょうか。

手洗い下のくず入れ
こちらが備え付けのごみ箱ですね。雰囲気からすれば,もう少し重厚感があるものにしても良いかも……。



ごみを運ぶカート@東京駅

 久しぶりに東京出張があった。
以前はコンスタントに月に1~2回は出張していたが,コロナ以降はめっきり減って,
今年度でも2回目か3回目。

 講演会やセミナーも遠隔で聞く方が楽だし,ちょっとした会議はZoomなどで出来てしまう。
とは言え,久しぶりに対面で研究者などと会うと,やはり良いなとは思うのだが。

 さて,久しぶりに東京駅に降りたところ,新幹線のホームで,面白いごみカートを見掛けた。

324-tokyo_station01.jpg
ごみ箱から,ごみを回収するごみカートは,駅のホームでもしばしば見掛けますが,このタイプは初めて見ました。

 駅という場所にも合うし,考えてみれば形もピッタリ。
ごみを回収してから動いていくという様子からも電車を模したというのはナイスアイデア!と思った。
むしろ,これまでなかった(見なかった)のが不思議なぐらい,ホームにマッチしていた。

324-tokyo_station02.jpg
先頭車両タイプもありました。

 なお,これは東海道新幹線の駅のホームで見掛けたもの。

昔,東京駅のごみ箱について,いろいろと見せて貰ったとき,
JR東海とJR東日本とでは,ごみ箱の形はもとより,ごみの分別区分まで違う,と言う話を聞いた。

同じようなごみカートが他の駅のホームや,東京駅の東北新幹線のホームでも活躍しているのか
機会があれば,聞いてみたいと思った。

駅から消えるごみ箱

 先日,読売新聞の米山さんという記者の方から取材を受けた。
関東地方を中心に,鉄道の駅からごみ箱が撤去されている,という話で,
今日(230131)の段階では,まだ読売オンラインで記事を読むことが出来る。
駅からごみ箱が消える~読売新聞オンラインへ のリンク

 自分のコメントはもちろん文言の確認をさせて貰ったが,
記事の全体像はきちんと把握しておらず……。
できあがった記事を読んだら,ずいぶんしっかりと取材されていて,
自分のコメントが何だか薄っぺらくて恥ずかしかった。

 家庭からのごみの持込が絶えない,というのは,
最近は駅に限らず,公園やコンビニなど,あちこちで聞く話で,
性善説ではやっていけない近年の世相を反映していて残念だ。

 ごみの処理は,日頃は行政サービスとして税金で行われているので
あまり意識されないかもしれないが,結構お金が掛かる。
事業系のごみの場合は,事業者が費用を負担して処理するので,
特に大きな事業所では費用も馬鹿にならず,
家庭ごみを持ち込まれるようならやってられない,というのも理解できる。

 もちろん,持込が増えたのは,恐らくごみの有料化などの影響もありそうで,
その意味では,社会全体が,ごみ処理がタダではない,ということを認識している
過渡期なのかもしれない。

 コメントでも少し触れたが,費用は誰が負担するべきなのか,
そもそも実際に捨てられているごみは,どのようなモノなのか,
家庭ごみなどが混入しているとあるが,実際の割合はどの程度なのか,など
考え出すとなかなか奥が深い話で,今回の取材を通じて,
改めていろいろと考えさせられ,勉強になった。

 とは言え,
「ごみ箱の撤去はやむを得ない面もありますが,
ごみ箱好きとしては,あちこちからごみ箱がなくなっていくのは寂しいですねえ。」
というのは,取材のかなり早い段階で述べた感想だった。

 さて,関東ではかなりの鉄道事業者がごみ箱を撤去しているようだが,
日頃通勤に使っている,JR西日本の駅では,まだごみ箱は設置されている。
ただし,ちょっとした変化があって,大学の最寄り駅であるJR杉本町駅では,
昔はホームにあったごみ箱が,改札口の近くに移動してきていた。

323-sugimotocho01.jpg
改札を入ったすぐ目の前に,ごみ箱があります。

323-sugimotocho02.jpg
昔はホームにあったのですが,今はない,と宣言されています。

ごみ箱好きとしては,どんな形でも残って貰えれば嬉しいのだが,
ホームから撤去した理由について,JR西日本の担当者に,ゆっくり聞いてみたいと思った。

また先日,ホームのごみ箱跡を見つけたので,写真は改めて追加します。






プロフィール

水谷聡

Author:水谷聡
@大阪市立大学 工学部 都市学科

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